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春日井市 内々神社

内々神社(うつつじんじゃ)へ向かう道中は急に
神々しい雰囲気に変わるポイントがある。
多くの神社に参拝するときに感じることであるが、
車で移動しても、急に雰囲気が変わるのを感じる。
もののけ姫ではないけれど、普通の生活空間と
神社の空間が近づきすぎているのだろうか、
人里に限りなく近いところにその聖域はあった。



駐車場にはわかりやすいことこの上ないように
神社の名称が書いてあるからすぐみつけられる。
神社を訪れると、先客がいたようで、
圧倒されているのか、前でたちつくしている人がいた。



内々神社の庭園が見事だろうということで訪れたが
江戸時代末期に建築された本殿も立派なものである。
特に梁のデザイン、装飾が秀逸で見ごたえがある。
寺社建築の彫刻や装飾された梁は虹梁(こうりょう)とよばれるが
その場でその彫刻を見ているとなんだか昔に連れて行かれるようだ。



この本殿の彫刻のなかでも、「すごい」と声を出してしまうものがある
海老虹梁(えびこうりょう)よばれる、ぐにゃりと曲がった梁であるが、
その梁が龍になっていてこっちをにらんでいる。
下から見上げられることをわかってか腹のあたりの筋肉もすごい。
鍛え上げられた二対の龍にはさまれる形で手を合わせた。



本殿の横をくぐるような形で奥へ進むと庭園がある。
通常裏手に回ると若干密度が薄くなる傾向があるが、
内々神社の裏側は他の神社とは違う。
よく手入れされた庭園越しに建築の後ろを見る形になるが、
いったいどうしたことだろう。
古建築の後ろ側がこんなに美しいとは誰も思わない。



この神社はひっそりとしている割に訪れる人が多いようだ。
こうした裏手で他の人と一緒になることがほとんどないが
親子連れが池を挟んで散歩しているのにあった。



苔のむした踏み石を上り下りしながら、
池の周りの斜面を回遊するようになっているが、
かなり自然があふれる庭園で、空気はほとんど山の中にいるようだ。



池越しに見る建物と庭の重なった風景は美しい。




内々神社がすごいところは裏側の装飾も手が抜かれていないことだ。
むしろ裏側のほうが作りこまれている感じがある。
床下もたいていの場合シンプルな作りが多いが、
床下に彫刻や組み物の装飾が見られる。
洋服の裏地に刺繍のしてあるよう人のような気合だ。
建築の装飾は裏手に回っても途切れることがなく
木鼻に獅子が彫刻されて並んでいる。



境内はヤマトタケルゆかりの神社ということもあり、
歴史の古さを感じさせる。
どうも奥1キロ先に本当の聖域がありそうだが、
へびをみたので怖くなってやめておいた。



裏手の道路から建築を見ると屋根のラインや建築のバランスのよさもわかる。
彫刻のすばらしさもあるが、建築自体に非常に力を入れているのは、
この神社が古くから格式があるので
それに恥じない仕事をしたことがわかる。
その当時の技術と財力を注ぎ込んだものだろう。


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