民衆の力で再興したパワースポット願興寺蟹薬師
願興寺は別名蟹薬師と呼ばれる古くからある寺院で、
岐阜県御嵩町にある。713年に願興寺廃寺がつくられ、
815年に最澄が訪れてより薬師如来があるとされている。
戦国時代に武田信玄が進軍の際に戦で焼かれたため
1581年に地元の民衆により再建されたのが現在の姿。
そのときは屋根も板葺きだったと思われる。
国の重要文化財に指定されている。
いろはづくりと呼ばれる48本の柱で囲まれた本堂は、
軒が深くとられて雨がしのげるようになっている。
昔はここを通過する人の休憩する場所になったようだ。
民衆の力で再建されたのがわかるぐらい、
床の板もダイナミックに組み合わされている。
いかにも地元の男たちで作った風情がある。
鐘楼門は江戸時代のもので奥にひっそりとある。
境内にいるととてもやさしい空気に包まれるのは、
蟹薬師が地域の人々の手で作られたためで、
どんな逆境にあっても自分たちの力で立ち上がった。
そんな勇気や元気、助け合う力が伝わってくるせいである。
柱で囲まれた回廊は
昔に中山道を歩いた旅人にも
現在訪れた私たちにも同じように優しく開放されている。
平安、鎌倉時代の由緒ある仏像も見所である。
阿弥陀如来の坐像は運慶の作といわれる。
四天王像は特にパワーのある風貌だ。
地方の寺にこれだけの仏像がある例は非凡で、
守られているということに他ならない。
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