愛知県瀬戸の定光寺を訪ねてみる。
定光寺は1336年の始まりと古く、
本堂は1493年の建立されていまも立派に存在して見ごたえがある。
長い時間を経て生み出される格の違う雰囲気を十分に感じられる建築物だ。
門をくぐって出現した端正な本堂の姿を見たときは
小柄でつつましい美しさを持つ日本人のようでうれしくなった。
定光寺は山奥に位置しているので周囲に雑多な市街地なども無く、
通常暮らしている騒がしい場所から離れている。
定光寺に近づいていくと次第に気温が低くなっていくのも、
いつもいる世界と違うところにきているのを肌で感じてうれしい。
こうした山の上にある寺には石で積まれた参道がつきものだ。
どうしてお前はそんなに体が重くなったのだと程よく叱る傾斜は
パワーを与える前に体のさびを落とせと一言物申しているように思える。
石段を登る途中、息があがっても空気の新鮮さがかえって嬉しい。
この定光寺の格別なところはパワースポットが三つあること。
ひとつはこの自然を感じる立地そのもので定光寺自然公園の散策で体験できる。
もうひとつは先ほど紹介した定光寺本堂を参拝すること。
3つ目はその奥にある源敬公廟(げんけいこう)にいくことだ。
参拝者の多くは本堂で満足して引き返した人もいるのではないかと思って
あえて、忠告しておく。ここで引き返してはならない。
少しだけ奥のほうにある源敬公廟は徳川義直の霊廟。
ここからほんのわずかな有料エリアになっていて、
といっても賽銭ぐらいのわずかな拝観料を箱に投じるだけだ。
その入り口があまりにも質素なため
多くの参拝者は油断して引き返してしまうだろう。
私は多くの寺社をたずねてこの手のトラップには馴れている。
何の変哲もない入り口の奥にすばらしいことがあることが多い。
これは寺社を拝観するときに心しておかなければならない。
石段を登っていきついたその先には
日本ではほとんど見かけない様式の建築があった。
中国の様式のその霊廟は中国人設計者(帰化明人)陳氏によるもの
江戸時代の初期の建築の中ではかなり特殊なものだと感じだ。
そしていまもその配置と手入れされた姿は感動に値する。
屋根瓦の美しさ装飾にも目を奪われるが、
一見定番とも思える導入部から登って霊廟にいたるまでの配置、
門、築地塀にいたるまでの一切の建築に相当のセンスのよさを感じる。
設計者の完璧を求めたきめ細やかさを感じた。
このパワースポットがとてもよいのは子供づれが一緒に楽しめる場所があること
定光寺公園の巨大なエリアがそばに存在する。
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